BIMで設計業務を効率化

BIM機能が付いているCADソフトを使うことで、建築パースを効率よく作成できます。

BIMはモデリングを行うだけでなく、設計中の部材に情報を付加して設計データに基づいた平面図を作成できます。設計作業の効率化を図れることが、BIMを使用する大きなメリットです。

BIMとは?

BIMとは「Building Information Modeling」の略称で、コンピュータを使用して3次元の建築モデルを設計する機能のことです。

BIMは名前が示す通り、「建物(Building)」に「情報(Information)」を加えた「建築モデル(Modeling)」を作成できます。

BIMにおける「情報(Information)」とは、柱や壁などの形状に関する情報や、建物を構成する部材の名称・寸法や個数などを指します。

コンピュータ上に3次元の建築モデルを構築するだけでなく、設計した建物のさまざまな情報を追加できることがBIMの特徴です。

BIMの歴史

「コンピュータを使用して建物を設計できないか」というニーズが高まり始めたのは1960年代前半のことです。1963年にはコンピュータを使用して2次元の設計が行えるCADシステム「Sketchpad」が登場します。

2D CADはコンピュータ上で建物の設計ができるものの、BIMとは異なり建物の構造や材質に関する各種のデータを書き込むことはできませんでした。

BIMの基本的な概念は、1984年にグラフィソフト社が「ARCHICAD 1.0」を開発したことから誕生しました。しかし、当時はBIMという名称はまだ使われておらず、「Buliding Model」と呼ばれていました。

1990年代から2000年代にかけてBIMの機能が充実し始め、設計中の建築物に関するさまざまなデータが盛り込めるようになります。2000年以降は詳細なデータを付加できるようになり、精密で高度な設計が可能となりました。

BIMを導入するメリットは?

BIMを導入するメリットは、設計作業の効率化とさまざまなシミュレーションが行えることです。本項ではそれぞれのメリットについて詳しくご紹介します。

設計作業の効率化

BIMを導入すると、設計作業が効率化します。BIMは3次元の立体モデルを使って建築物の設計をするため、2次元の図面を作成する必要がありません。建築物に付加された情報に基づいて、平面図や側面図などの図面を自動的に作成できます。

また、BIMを使うと修正作業も簡単です。3D CADはコンピュータ上の立体モデルを修正すると設計図も直す必要がありますが、BIMは各データが連動しているため、モデルを修正すると図面データも更新されるので修正漏れの心配がありません。

さまざまなシミュレーションが可能

BIMを使用するもう一つのメリットは、さまざまなシミュレーションが行えることです。

例えば、照明のシミュレーションを行って室内の明るさを調べたり、建物が周辺地域の日照に与える影響を模擬実験したりすることができます。

以前は専門家に依頼する必要がありましたが、BIMの登場によってシミュレーションが容易に行えるようになりました。

BIMを導入するデメリットは?

BIMのデメリットは、導入コストが高いことです。

そのほかには、操作の習得が難しい点もデメリットとして挙げられます。BIMとCADは操作方法が異なるため、CADの操作に慣れている人はBIMの操作を一から覚える必要があります。

BIMの普及が進んでいる欧米に比べて、日本では導入コストや技術者の養成の面で課題があり、企業への導入が遅れているのが現状です。

BIMの導入事例を紹介

次に、BIMの導入事例についてみていきます。

BIMは設計を行うツールであるため、主に設計事務所で導入されていますが、ハウスメーカーやゼネコンにおいても使用されています。

ハウスメーカーやゼネコンでBIMを導入する理由は、建築後のシミュレーションを行えるためです。BIMを活用することで設計から建築まで一連の作業が行えるため、業務の効率化が実現します。

おすすめのBIMソフトを紹介

建築パースの作成におすすめのBIMソフトを紹介します。それぞれの特長を活かして、精度の高い魅力的な建築パースを作成しましょう。

Revit

Revitは、アメリカのオートデスク社が開発した3D CADソフトで、BIM機能が充実しています。

BIMによって建物の設計が行えるほか、正確な計算処理によって精度の高いモデリングが可能です。Revitは反復作業を自動的に処理できるため、単純な作業はRevitにまかせ、技術者は重要性の高い業務に集中できます。

Revitはクラウド機能を介して共同作業を行えますが、単独で作業する場合は廉価版のRevit LTを使うのがおすすめです。

ARCHICAD

ARCHICADはハンガリーの企業グラフィソフト社が開発したCADソフトで、BIM機能が搭載されています。

ARCHICADの特徴は、確認申請の機能が利用できることです。基本設計の段階で算出された面積やモデルの属性を利用することで確認申請の図面を作成できます。

また、クラウド機能を介して建築プロジェクトの参加者が共用データで作業を行えるため、業務の効率向上が期待できます。独立した作業を行う場合は、ARCHICAD Soloを使用するとよいでしょう。

VectorWorks Architect

VectorWorks Architectは、ドイツのベクター社が開発したCADソフトで、インテリア設計の機能が強みです。2Dと3Dの作図が行えるほか、3Dビジュアライズ機能によってリアルな建築モデルを構築できます。

VectorWorks Architectの最新版である2020では、設計データを可視化できるようになっており、強度や耐火性などが十分であるかどうかを画面上で確認できます。

まとめ

BIMは設計から施工までの流れをスムーズに進められる設計支援ツールです。BIMを使うことで設計と建築パースの作成が同時に進められます。

導入コストが高く、技術者の養成に時間がかかりますが、BIMを積極的に活用して業務の効率アップを目指しましょう。

(画像はUnsplashより)