「プロ・素人のパースをセルフ比較!」とは
フォトリアルな建築パースを日々制作している、スぺラボのCGクリエイターたち。
そんな彼・彼女らが「素人」だったころのパース作品を、制作者本人が作り直してみるセルフリメイク企画です。


こんにちは、みかんぶどうです。 スペラボ 建築ビジュアライゼーション事業部でシニアクリエイターとして働いています。

大学の授業で描いていた当時、パースは自分の中では得意な分野でした。
しかし、スペラボに入社し研修を受ける中で、同期の作業スピードの速さに圧倒された記憶があります。

そんな私ももう5年目に入りました。少しは成長できたでしょうか……。
学生時代に描いたパースを描き直してみることにしました。


▼目次
1.学生時代のパースを改めてチェック
2.作り込みの精度を上げる
3.木漏れ日を表現
4.雰囲気出し
5.レベルアップの結果!

1.学生時代のパースを改めてチェック

今回手直しするのは、まだ学生だった5年前にデザインの授業で描いた2枚のパースです。

作品コンセプトは「憩いの場として図書室を作る」。
当時通っていた大学の中庭を舞台に、図書室をデザインしました。

CGパースリメイク.00_中庭の図書館_外-室内_過去作品

左:全体のようす 右:図書室の内観

大学の中庭の、大きな木が立つ景色がとても好きだったので、楽しみながら取り組んだ記憶があります。

就職活動中、制作実績としてスペラボの面接で見てもらうためにブラッシュアップを重ねた、思い出のある作品でもあります。
そんな思い入れのあるパースですが、当時の私の知識と技術では思うように表現できず歯痒い思いをしました。

いま改めて作品を見ると、手を加えたいと思うポイントもたくさんあります。
スぺラボで5年やってきた今の私なら、もっとよいものが描けるはず……!

そこでどこをどう変えていけば良くなるかを、今の視点で考えてみました。

CGリメイク.03_中庭の図書館_外_パース上に修正箇所を込み込み
CGリメイク.04_中庭の図書館_屋内_パース上に修正箇所を込み

気になる点がたくさん見つかりました。
このパースをレベルアップさせるためのポイントは大きく分けると3つです。


・作り込みの精度を上げる
・中央の木を3Dモデルに変えて木漏れ日を表現する
・雰囲気出しをする


具体的な理由や方法は後述します。
うまくいくでしょうか……不安ですが、この絵がどう変わるのか、わくわくする気持ちもあり楽しみです。
さっそく取り掛かっていきます!

今回はCinema4D・V-Ray 3.7を使用し制作します。

2.作り込みの精度を上げる

まず、学生時代から大事に持っていたVectorWorksで作ったモデリングデータをCinema4Dに取り込みます。

左:VectorWorksでの見え方 右:Cinama4Dに取り込んだ状態

VectorWorksのツールで作った円弧の壁などはCinema4Dに取り込んだ際に消えてしまったため、足りない個所を改めて作りつつモデリングの作り込みを進めます。

ここで言う「作りこみの精度を上げる」とは、3Dモデリングの要素を増やすと言う意味です。壁面に目地をいれたり、排気口を付けたり、室外機を置いてみたり……。作ろうと思えば作りこむ場所はどこまでも細かく考えられます。

スぺラボ1年目の頃、「近景の家具ひとつでも、作り込まれているモデリングデータを使うだけでパース全体のクオリティは上がる。」と先輩に言われたことを思い出します。

CGリメイク.07_中庭の図書館_外_Cinema4d作業画面_建物壁面を作り込んだ

壁面に目地を入れるなどして、建物の精度を上げました。これだけでもレベルが上がったように感じます!

3.木漏れ日を表現

次に作業するのは中央の大きな木です。
元のパースでは2D画像を貼った平面を配置していましたが、3Dモデリングの木に変えます。

CGリメイク.08_中庭の図書館_外_Cinema4d作業画面_大きな木の3DCGオブジェクトを配置

やはり3Dモデルに変えただけでクオリティが上がっている気がします!

当時、この特徴的な大きな木をデザインに活かすことを、最も重要視していました。

図書館の幕天井にふわっと木の影が落ちるような表現をするつもりだったのですが、スキル不足でイメージ通りの表現が叶わず、苦肉の策としてPhotoshopでちまちまと木陰を描き足していた、学生時代の無念を晴らします。

太陽光を入れ、影を出します。天井幕には光を通すため、少し透けたマテリアルを貼ってみました。しかし、ひとつ問題が。

外側からは影が落ちているように見えますが、内側からは同じようには見えません。

……やっぱりむずかしい!

木漏れ日が天井の幕に落ちているようにしたいのですが、うまくいきません。学生時代と同じ壁にぶつかってしまいました。
しかしここで諦めるわけにはいきません。

試行錯誤の末「2 Sided Material」という、オブジェクトの両面に素材を貼るマテリアルを使用することに。
すると、図書室内からも木の影が見えるようになりました!

CGリメイク.11_中庭の図書館_屋内_幕天井に落ちる影

天井の幕に木の影をぼんやり落とすことができました。

よかった……成功です!

 

4.雰囲気出し

仕上げに向けて、雰囲気を出す作業に入ります。
レンダリング後のPhotoshopによる補正はもちろんですが、その前に3Dモデリング上でも行います。

本棚の中の本を少し崩して並べたり、マテリアルに使用感を出したり……。人が生活するようすが見えるとよりリアルになります。

3Dでの作業はここまで。レンダリングを掛け、Photoshopで補正したら完成です。

CGパースリメイク.12_中庭の図書館_外_完成画像
CGパースリメイク.13_中庭の図書館_室内_完成画像

5.レベルアップの結果!

完成しました!学生時代のパースと比べてみましょう。

CGパースリメイク_中庭の図書館_外_比較画像

屋外(画像左:学生時代のパース / 画像右:リメイクしたパース)

CGパースリメイク_中庭の図書館_室内_比較画像

屋内(画像左:学生時代のパース / 画像右:リメイクしたパース)

全体的に陰影感が出ました!何より天井幕に木の影がリアルに出ています。
これはレベルアップできているのではないでしょうか?よかった!

当時のもどかしい気持ちを思い出しつつ、「あ、できた!」と一つひとつレベルアップしていると感じる過程はとても有意義で楽しい時間でした。
無念を晴らすことができたのと同時に、自分の成長も感じることができた良い機会でした!


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「プロ・素人のパースをセルフ比較!
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学生時代の自分のCGパースをプロになってから10年越しに描き直してみた|プロ・素人のパースをセルフ比較!
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思い出の作品をセルフリメイクしたら自分の成長に気づいた|プロ・素人のパースをセルフ比較!#2 (この記事)
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▼この記事を書いた人
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