「プロ・素人のパースをセルフ比較!」とは
フォトリアルな建築パースを日々制作している、スぺラボのCGクリエイターたち。
そんな彼・彼女らが「素人」だったころのパース作品を、制作者本人が作り直してみるセルフリメイク企画です。


こんにちは!
スペラボのシニアクリエイター、せんです。

CGパースをこれから勉強したいと思っているそこのあなた!
きれいなCGパースを見て「こんなの自分には描けないのでは……と圧倒されてしまった経験はありませんか?

私はあります。

10年前、大学でパース制作を学びました。ただ、プレゼン用の簡単なパースの描き方しか知らなかったため、
その後、プロの描くパースを見た時に圧倒的な技術の差に衝撃を受けた記憶があります。

そんなパース初心者だった私が、スぺラボに入社してからどれくらい成長したのか?
当時のパースを描き直して比較したいと思います!


▼目次
1.学生時代のパースをプロの目でチェック
2.現在の操作環境に合わせてCinema4Dに変換
3.モデリングの修正
4.マテリアルの修正
5.ライティング
6.小物を入れる
7.補正
まとめ


1.学生時代のパースをプロの目でチェック

さっそく、大学時代に課題で描いたパースを引っ張り出してきました。

学生時に作成した内装パース

住宅をデザインした時のパースです。

……うん。なるほどね。

パースのパの字も知らないような時でしたからね。まあこんなもんですよね。
具体的には、以下の5点を改善する必要があると感じました。


■このパースの改善が必要な点

・サッシのモデリングが簡易的すぎる

フルオープンになる窓なのに、ガラスにフレームがついておらずかなり危険ですね。サッシのレールもないので完全に開かずの窓と化しています。

・家具に丸みがなくて硬そう
ポリゴン数が少なく、手前に置かれたソファも硬そう。一昔前のゲーム画面みたいですね。

・マテリアルの素材感が出ていない
木なのか、布なのか、クロスなのか。これだと素材の区別がつきません。

・光の当たり方が均一で陰影がない
とりあえず明るくしとけばいいと思っていたので、光源の位置や光の落とし方など全く考えていません。ダウンライトやペンダントライトも置いていませんね。

・小物がなくて殺風景
キッチンの家具や、テーブルセットなど何も置いていないのでかなり寂しい絵になっています。


ざっくりと見てこんな感じですね。さてさて、この初々しいパースちゃんをかっこよく変身させてやりましょう!

 

2.現在の操作環境に合わせてCinema4Dに変換

大前提として、使用しているソフトが当時と今とでは違うので仕上がりも大きく変わります。

たとえば、100円のイヤホンと5万円のイヤホンで音質が明らかに違うように、パースも使用するソフトによって仕上がりに違いが出ます。

私が大学生の時はパースをVectorWorksで作成していました。
最近ではVectorWorksでも綺麗なパースを描くことが可能なようですが、当時はこれくらいシンプルなデータを作成するためによく使われていました。

今回は普段業務で使っているCinema4Dに変換して描いていきます!

Cinema4Dに変換したパース

Cinema4Dに変換したパース

VectorWorksは3DデータをCinema4Dに書き出すことが可能なので、丸ごとデータを持ってくることができます!
色データもマテリアルとしてそのままCinema4Dに変換できますが、マテリアルはすべて作り直すので全部外します!

比較しやすいように、アングルはこのままで描いていこうと思います。

 

VectorWorksから変換してきたマテリアルを外しました。まっさらになりましたね。

進化の過程を分かりやすくするために、ここからはレンダリング画像で比較します。
レンダリングソフトはV-Rayを使用して作成していきます!


V-Rayでのレンダリング結果

V-Rayでレンダリングをした結果がこんな感じです!
これは外光だけ入れた状態です。ここからどんどん綺麗に変身させていきますよ!

3.モデリングの修正

次にモデリングデータを修正します!

・サッシのモデリングが簡易的すぎる。
・家具に丸みがなくて堅そう
この2点を改善していきます!

ガラス1枚だった窓にフレームを付け、上下にレールも取り付けます。

修正モデリング
解放感が欲しいので窓は全開にしました!

家具は社内の3Dデータストックから綺麗にモデリングされたオブジェクトを持ってきました。
これだけでもかなり印象が変わりましたね!中庭から光が漏れていてすでにちょっといい感じ。

4.マテリアルの修正

お次はマテリアルを貼ります!
木、壁紙、ファブリックそれぞれの素材感をしっかりと出していきます。


パースリメイク。マテリアルを貼った状態
マテリアル貼り付け完了!

もうすでに別物ですね!
鏡面が入るだけでもパースはグッとリアルに、かっこよくなります。

5.ライティング

続いてはライティングです。学生時代のパースをもう一度見てみましょう。


一応影は落ちているものの、明かりが均一に行き渡っていて印影がありません。
しかも光源だけ入れているから謎に天井が光っています。

せっかく中庭があってこんなに大きな窓もあるのに、太陽光が一切入ってきていないのももったいないですね。
ということで、室内には照明器具を入れ、中庭には太陽光を落としていきます。

マイナス点を改善。さわやかな雰囲気になったパース

爽やか~


縁側で読書をしながら日向ぼっことかしたいですね。

6.小物を入れる

ここまででもかなり良い感じになりましたが、まだ寂しいですよね。
さらに小物を入れることでグッとリアルになります!おしゃれな部屋を目指して小物を配置しました。

小物を配置。パースにリアリティが出てきた。
生活感が出てよりリアルになりました!

この中庭でコーヒーを飲みながら本を読みたいな~などと妄想が広がります。
Cinema4Dでの作業はここまでです!完成までもう少し……!

7.補正

最後はPhotoshopで補正して、さらに絵を引き締めます。
このままでも綺麗ですが、陰影や色味などを調整することでさらに綺麗なパースに仕上がります。

パース完成!
完成です!

あぁ……風のそよぐ音が聞こえてきそうですね……。
10年前のパースと比較してみましょう。

学生時代のパースと、リメイクパースの比較
別もんやん。

本当に同じデータを使ったのかと疑いたくなるくらいにまったく違った仕上がりになりましたね。
あまりの差に自分でもちょっと笑っちゃいました。

もちろん使用ソフトの性能差もありますが……勉強すれば誰でもここまで描けるようになります!

まとめ

『ここまで描けるようになるのに10年もかかるの?!』と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません!

3Dソフトの進化によって最近では簡単にキレイなパースが描けるようになってきました。
実際、スぺラボの新入社員の子たちも研修でイチから学び、1年目でハイクオリティなパースを描いています!
(現在、CGクリエイター大募集中です!パース制作を仕事にしたい方はどしどし応募待ってます!)
詳しくはこちらを見てね!

ちなみに弊社では、パースの描き方を一から解説しているオンラインセミナーのアーカイブ配信を行っています。
興味のある方は下のリンクからyoutubeをぜひご覧ください!

スぺラボ共育チャンネル(youtube)
https://www.youtube.com/channel/UCoPYRpF3S_5D2M3e33keD3w

今回使用したソフト

・Vector Works ・Cinema4D ・V-ray ・Photoshop

 

▼この記事を書いた人

自己紹介_せん