建築関連の資格について

建築関係の資格には、受験要件が定められている資格もあり、誰もが容易に取得できるわけではありません。例えば、一級建築士(公益財団法人 建築技術教育普及センター)は、受験要件として学歴、実務経験が定められています。

今回は、建築用CADソフトを用いたパース作成の資格を紹介していきます。

資格の種類

まずは、内装設計・インテリア・空間デザインのパース作成に関連する資格です。

【Space Designer検定試験】
内装設計・インテリア・空間デザイン専門知識およびCGパース作成技能を測定し、CADソフトを用いた現実空間に近い3DCGインテリアパース、説得力のあるデザイン提案書の作成技能を評価・認定。試験合格者は「スペースデザイナー」(CGパースのプロフェッショナル)に認定されます。

■概要
資  格:Space Designer1級/2級
主  催:一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)
受験要件:なし(受験には公的身分証明書が必須)

試験は年1回実施、CBT(Computer Based Testing)形式・自宅受験型(インターネットに接続できる環境にて受験)。課題は基礎課題・応用課題にて構成され、試験開始日から4日以内の提出、期間中は回数に上限なくアップロード(上書き保存)ができます。

基礎課題は「図面の読み取り」「3DCGインテリアパース作成」、応用課題は「より現実的かつ説得力のある3DCGインテリアパース作成」「提案書作成」が出題されます。なお、JPEG画像とPDF作成に対応ソフトである限り、使用ソフトは指定ありません。

1級の合格基準は基礎課題70点以上かつ応用課題80点以上、2級では基礎課題70点以上です。2級の場合、応用問題が未提出でも基準を満たせば合格となります。

次は、建築用CAD資格です。なかでも、「CAD利用技術者試験」は、企業からの認知度が高いといわれます。

【2次元CAD利用技術者試験】
2次元CADソフトを用いて効率的に作図する技能を評価・認定。

■概要
資  格:2次元CAD利用技術者試験1級(機械/建築/トレース)/2級/基礎
主  催:一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)
受験要件:2級の有資格者(1級)/なし(2級、基礎)

1級は、2次元CAD実務経験または就学経験1年以上レベルです。試験は試験会場にて実施され、実技試験・筆記試験(25問/80分)にて構成されます。実技試験は「CADソフトを用いた作図技能」、筆記試験では「機械製図の知識」「建築製図の基礎知識」「建築生産の電子情報」を判定します。

2級は2次元CAD実務経験がない人を受験対象としています。試験はCBT形式、随時、全国試験会場にて受験できます。実技試験なし、筆記試験(CBTシステム選択方式、60問/60分)です。「CADシステム(概要、機能)」60%、「製図(製図一般など)」40%との比率になります。

基礎では2次元CADシステムを勉強中の人が受験対象とされています。試験はIBT(Internet Based Testing)形式です。筆記試験(IBTシステム選択方式・真偽方式、50問/50分)となり、「CADシステム知識・利用」「製図の基礎知識」が出題されます。

1、2級の合格基準は、各分野50%以上かつ総合70%以上、基礎では総合70%以上です。

【3次元CAD利用技術者試験】
3次元CADソフトを用いて効率的に設計する技能を評価・認定。

■概要
資  格:3次元CAD利用技術者試験1級/準1級/2級
主  催:一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)
受験要件: 2級有資格者(1級、準1級)/なし(2級)

1級は、3次元CAD実務経験半年または就学経験1年以上レベルとなります。試験は試験会場にて実施され、実技試験120分です。「CADリテラシー、形状認識能力(パーツモデル作成、2次元から3次元への形状認識)」「アセンブリモデリング能力(パーツモデル作成)」「パーツモデリング能力(2次元図面から作成)」が問われます。

準1級は、3次元CAD実務経験が浅い人を対象としています。試験形式・分野は1級と同じです。

2級は、3次元CAD実務経験がない人を想定しています。試験はCBT形式、随時、全国試験会場にて受験できます。筆記試験(CBTシステム選択方式、60問/60分)にて、「3次元CAD概念、機能、実用的モデリング手法」「3次元CADデータ管理・活用、ネットワーク知識」が出題されます。

合格基準は、各分野50%以上かつ総合70%以上となります。

なお、2次元CAD利用技術者試験、3次元CAD利用技術者試験は、「教育訓練給付金制度」、全国工業高等学校長協会主催「ジュニアマイスター顕彰制度」の対象資格となります。

【建築CAD検定試験】
CADソフトによる作図技能を評価・認定。1993年に日本で初めて誕生した建築CADの民間資格試験です。実践型の実技試験といわれており、暗記で回答できるような筆記試験ではありません。

【概要】
資  格:建築CAD検定試験准1級/2級/3級/4級
主  催:一般社団法人 全国建築CAD連盟(AACL)
受験対象:教育機関生、試験認定校生、資格スクール生、社会人

一般受験(社会人など)の場合は年2回(4・10月)試験会場、団体受験(試験認定校生)の場合、年4回(4・7・10・1月)教育機関にて実施されます。

准1級は実技試験4時間10分、建物図面よりCADを用いた建築一般図(4面)を作成します。また、時間配分も指定され、CADシステム設定10分、課題図面の読み取り・入力計画30分、作図3時間30分となります。合格条件は4図面全て完成です。

2級は実技試験5時間、建物図面よりCADを用いた建築一般図(2面)を作成します。250点満点中190点から200点で合格となります。3級では実技試験(4問/2時間)となり、参考図に基づき、CADを用いた完成図作成です。200点満点中140点から150点が合格の目安です。

4級は高校の団体受験のみ、一般受験はありません。実技試験(3問/2時間)、参考図をもとにCADを用いて完成図を作成しますが、3級より低い難易度で設定されています。200点満点中130点から140点で合格です。

最後は、建築用CADツール(CADソフトウェア製品)関連の資格です。

【3Dマイホームデザイナー検定】
メガソフト株式会社製の対象製品7種(3Dアーキデザイナー、3DマイホームデザイナーPRO8/PRO8EX/PRO8EX2/PRO9/PRO9EX、3DインテリアデザイナーNeo2/Neo3、3D住宅リフォームデザイナー/3D住宅リフォームデザイナー2)の操作力および関連知識を検定。

3Dパース作成・活用に必要な幅広い知識・技能を評価し、検定合格者は「3Dマイホームデザイナー操作技術者」に認定されます。

試験は、随時、全国JJS加盟テストセンター(約190ヶ所)にて受験できます。製品機能に関する選択問題(50問/60分)、正答率80%で合格となります。合否は、テスト終了即時に判明します。

【オートデスク認定資格プログラム】
米オートデスク社が主催する世界共通の認定資格。日本では2013年から導入されました。同社製CADソフトウェア「AutoCAD」を用いた作図に関する基礎知識の理解度、操作技術の基本的能力を測定し、オートデスク製品ユーザーのCAD操作・活用スキルを試験・認証します。

中・上級ユーザー向けの資格はプロフェッショナル(オートデスク認定資格 AutoCADプロフェッショナル/Autodesk Inventorプロフェッショナル)、実技問題(35問/2時間)にてプロレベルのCADスキルが試されます。「AutoCAD」(正答率80%以上で合格)「Autodesk Inventor」(正答率71%で合格)が対象となります。

学生・初級ユーザー向け資格はユーザー(オートデスク認定ユーザー AutoCADユーザー/Revit Architectureユーザー/Fusion 360ユーザー)です。対象製品は「AutoCAD」「Autodesk Revit Architecture」「Autodesk Fusion 360」となり、各製品の基本的知識・操作技術が問われます。

AutoCADユーザー、Fusion 360ユーザーの場合、正答率70%以上、Revit Architectureユーザーでは正答率73%以上で合格となります。また、プロフェッショナル、ユーザー共に試験は、随時、オートデスク認定試験センター(ACC)にて実施されます。

【Vectorworks操作技能認定試験】
エーアンドエー株式会社(国内総販売元)が主催し、Vectorworksがもつ2次元・3次元の基本的機能、レンダリング基本操作の取得を認定。受験対策教材(Vectorworksテンプレート形式・全10ファイル)が付属し、試験に向けて練習できます。

合格者は「Vectorworks操作技能ベーシック合格者」と認定され、専用サイトから合格認定証のダウンロードが可能です。また、正答率90%以上の合格者は上位認定、認定証カード「アドバンス認定」が発行されます。

試験はIBT形式・自宅受験型、受験期間1ヶ月のうち全3回受験できます。対象製品(Vectorworks Designer/Vectorworks Architect/Vectorworks Landmark/Vectorworks Spotlight/Vectorworks Fundamentals)は、試験実施時点の現行バージョン、1世代前および2世代前バージョンの3バージョンとなります。

筆記問題(択一選択、50問/50分)、合格基準は正答率70%以上です。出題分野は、基礎知識・環境設定(12問)、基本機能・作図(25問)、活用機能(5問)、レンダリング(8問)となります。

まとめ

建築関連の資格は、建築業界への就職・転職に際して必ずしも有利に働くとは言えませんが、仕事をするうえで非常に役立ちます。また、資格取得により、自己の知識・技量を示すことができます。

(画像はPixabayより)