建築CGとは

「建築CGパース」とは、CG(computer graphics:コンピュータ・グラフィックス)を用いて制作した「建築パース(建築物の完成予定図)」です。CGの使用によって写真のようなリアルさを追求でき、鮮やかな色彩、形や色合いを細かく表現した質の高い画像となります。

なお、パースは「Perspective Drawing(透視図)」の略であり、「建築パース」とは平面的な図面(設計図、間取り図)を元に建築物の完成状態を立体的に表現したもの。立体的可視化により、空間を具体的にイメージでき、建築・施工工程に伴う問題点も把握できます。

これまで、手書きの「建築パース」が主流でしたが、近年は「建築CGパース」が一般的になりました。「建築CGパース」は専用ソフトウェアを用いて制作され、設計・デザインに変更が生じた場合、容易に対応できます。

アングル(視点)の変更、デザイン・インテリアの変更など容易に編集でき、平面的な図面では判断しにくい全体像・完成像、作業動線や部屋と部屋のつながりなどの空間的な確認、詳細なデザイン(ディテール)や空間規模を把握しやすいです。手書きのパースと比べ、より具体的に建築物の完成像、空間イメージ、生活イメージをもてます。

建築CGアニメーションとは

「建築CGアニメーション」とは、専用ソフトウェアを用いて制作された建築CGオブジェクトに対して、動画(アニメーション)を撮影したもの。一方、「建築CGパース」は、専用ソフトウェアによる建築CGオブジェクトに対する静止画像となります。つまり、パースは静止画像、アニメーションは動画です。

「建築CGアニメーション」では、カメラワーク(カメラの動き・動かし方)にて視点・アングルを変え、建物外観・内観をプレゼンテーションします。建築物および建築空間が主役であり、人間・その他物体の動きは多くありません。

また、CGにて制作することで複雑な建築物や地形を再現でき、人間・その他物体によるリアルな演出も可能です。高速処理技術にて作業時間は大幅に削減し、パース制作作業は効率化されます。ストーリー性、サウンド(BGM、効果音)を使用することで、訴求効果はより高まります。

建築CGアニメーションの種類

「建築CGアニメーション」は、カメラの動き・動かし方によって大きく3種類、「ウォークスルー」「フライスルー」「フレームレート」に分類されます。

静止画像である「建築パース」と比べ、動画の「建築CGアニメーション」では、空間の連続性を再現でき、建築および建築空間をイメージしやすくなります。

【建築CGアニメーションの種類】
■ウォークスルー
建築および建築空間内を歩きながら撮影したような動画

(撮影方法)
・人の目線で撮影される
・動線(空間内を動くときに人が自然に通ると思われる経路)に基づき、カメラを動かす

(特徴)
・空間内の人の動きを把握できる
・ビジュアル的・視覚的に分かりやすい
・ショールーム内を自分で歩き回っているかのような疑似体験ができる
・疑似体験を通じて建物を立体的に認知できる
・建築および建築空間イメージがもちやすい

■フライスルー
建築および建築空間を鳥の目線で眺めたような動画

(撮影方法)
・建築および建築空間を見下ろすアングルで撮影される
・時間の経過に伴いカメラを動かし、アングルを変化させる

(特徴)
・時間の経過に伴って視点が変わる
・建築および建築空間、周囲環境との関係性を表現できる
・見下ろすアングルによって全体像を把握しやすい

■フレームレート
複数画像を連続的に切り替えて制作した動画

(撮影方法)
・単位時間あたりの静止画像数(コマ数)を決めて撮影する
・動画1秒間に複数の静止画像を切り替えて撮影する

(特徴)
・アニメーションのように静止画像の連続的な切り替えによって動きを生む
・単位時間あたりのコマ数が多いほど滑らかで自然な動画になる
・1秒間に切り替える静止画像数によって動きの速度を調整できる
・動画全体のデータ量、使用する静止画像数に応じて制作できる

建築におけるアニメーションの用途

「建築パース」は、立体的な可視化により、建築および建築空間を具体的にイメージさせることが目的であるため、具体的かつ忠実にイメージを具現化することが求められます。

建築主/クライアント、設計者、施工者の間におけるイメージの共有を助け、建築設計・デザインの検討、プレゼンテーション(顧客に対する設計プレゼンテーション/初期プレゼンテーション)の提案、販促マテリアル(不動産広告の完成予想図など)に使用されます。

また、近年、あらゆる業界・業種におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)、ITの利活用が促進されています。建築分野も例外ではなく、「BIM(Building Information Modeling)」が普及しつつあります。

BIMは、コンピュータの仮想空間上にてバーチャルな建物モデルを制作する設計アプローチです。建物のライフスタイル(竣工から運用を経て解体されるまでの管理)におけるデータを構築管理できるといいます。

初期段階にて、CGアニメーションを用いて建物の建築・施工を仮想的に行うことにより、設計・施工ミス、作業工数の削減につながります。

まとめ

「建築パース」は、「ビジュアライゼーション(visualization)」です。ビジュアライゼーションとは、直接見ることができない事象・現象、関係性などイメージすることを意味します。ビジュアライゼーションにより、見る側の想像力・イマジネーションは高まり、本来は見えない深い部分まで可視化できるとも。

例えば、住宅の建築主、マンション・アパートの入居予定者、公共施設・商業施設の建設予定地の近隣住民など、建築関連の専門知識をもたない人であっても、「建築パース」を通じて建築物の全体像・完成像、建物外観・内観空間を容易かつ具体的にイメージできるでしょう。

それゆえ、よりリアルで訴求効果の高いパースが求められ、「建築CGパース」「建築CGアニメーション」が重宝されるのです。

(画像は無料CG素材館より)