それぞれの特徴を理解し、パース制作を効果的に行おう

建築パースとは建物の完成予想図を平面上に表現したもの。手法としては「CGパース」と「手描きパース」の二種類がありますが、現在では建築パースといえばCGパースが主流とされています。

手描きパースで制作される機会は少なくなっているものの、手描きによる味わいの良さもあるため、現在でも手描きパースでも制作されることも。

違いがある各パースの効果を高めるためにも、それぞれの特徴について理解しておきたいところです。そこでこの記事では、CGパースと手描きパースの特徴とメリットについて紹介します。

CGパースとは?

CGパースとは、CG(コンピュータグラフィクス)を使って制作した建築パースのことです。建築パースを制作すると、建物の完成予想図を平面上で立体的に表現することができます。

建築パースを制作する場合、完成予想図の質の高さ、そして、作業のしやすさの観点から、主にCGが用いられます。

専用のソフトウェアを使用し、パソコンで制作するCGパースは、建物の形や色合いを細かく表現できるため、建物の完成予想図は実物さながらの仕上がりとなります。

手描きパースとは?

手描きパースとは、建物の完成予想図を手作業で制作する方法です。建築パースの制作でCGが用いられる前は、手描きによるパース制作が一般的に行われていました。

CGパースのように建物を細かい点まで正確に表現することは難しいですが、手作業によるパースは風合いが感じられます。

そのため、CGによるパース制作が主流となった現在でも、状況に応じて手描きパースを制作することがあります。

なお、手描きパースに似た名前として「手描き風パース」がありますが、これは専用のソフトウェアを使って手描きのように表現したパースのことです。

「手描き」という単語が含まれていることもあり、手描きならではの風合いが感じられますが、あくまでも「手描き『風』」であるため、手作業で制作されたパースとは区別されます。

CGパースを制作するメリットは?

CGパースを制作するメリットとしては「作業に時間がかからないこと」、そして「制作したパースの変更が容易であること」です。

それぞれのメリットについてくわしく説明します。

作業に時間がかからない

CGパースを制作するメリットは、作業に時間がかからないことです。

CGパースは専用のソフトウェアを使用し、パソコンを使って制作するため、パース制作の作業を効率的に進められます。

また、CGパース制作を行うのが初めてである場合、慣れるまでに時間がかかることもあります。しかしながら、制作に時間がかかるのは最初だけであり、CGパースの制作方法を身につければ、手描きでのパース制作よりもスピーディーに作業を行えます。

建築パースを短期間で制作するなら、CGパースが適しています。

制作したパースの変更を容易に行える

そのほか、CGパースを制作するメリットは、建築の設計に変更が生じた場合であっても容易に対応できる点です。

例えば、パースを制作したものの、顧客の要望に応じてそのパースを修正しなければならないとしましょう。

手描きパースの場合、顧客から修正の要望を受けたとしても、実際に修正するとなると、始めから制作し直さなければなりません。修正作業は非常に時間がかかってしまうため、修正そのものが実質的に困難といえます。

その点、CGパースの場合は修正作業をパソコンで行うため、制作したパースの一部分だけを修正するだけで済みます。それに加え、修正の作業は効率的に行えるので、修正作業はさほど時間がかかりません。

建物の完成予想図をCGパースで制作すれば、顧客からの変更の要望に対してすぐに応じられるため、顧客としても満足度が高まります。

手描きパースを制作するメリットは?

手描きパースを制作するメリットとしては「温かみが感じられること」、そして「顧客としては建物が完成したときの想像が広がること」があります。

それぞれについてくわしく説明します。

温かみが感じられる

手描きパースの良さは温かみが感じられることです。手描きで制作したパースは、CGパースのような細やかさや鮮やかさはなく、全体的に淡い色合いで、どことなく懐かしい雰囲気すら感じられます。

手描きパースの仕上がりがそのように感じられるのは、手作業によってつくられたものには、作業を行った人の気持ちが込められているからではないでしょうか。

顧客の立場でできあがった手描きパースを見ると、CGパースのような完成度の高いパースではないにしても、見ていて落ち着くような雰囲気が感じられます。

それが手描きパースならではの良さであるため、現在でも根強い需要があるのです。

顧客としては建物が完成したときの想像が広がる

CGパースは細かい点まで正確に表現できるため、顧客としてはCGパースを見ると建物の完成イメージが一目でわかります。

一方、手描きパースは完全に手作業で行われるため、パソコンを使って制作されるCGパースと比べると、建物の完成イメージはおぼろげなものとなります。

見方を変えれば、このことはメリットにつながります。なぜなら、完成イメージがおぼろげなものであるために、顧客としてはパースを見たときに完成イメージを頭の中でふくらませることができるためです。

つまり、顧客に対して、建物が完成したときの想像を広げてもらいたいのであれば、手描きパースで制作する方が適しているのです。

また、手描きパースの特性を活かすなら、建物の設計が細かいところまで決まっていない場合は、手描きパースで表現する方法もあります。

その理由としては、手描きパースなら、CGパースのように設計の細かいところまで決まっていなくても、建物の設計がある程度決まっている状態であれば、制作することは十分に可能であるためです。

まとめ

建築パースの手法として、CGパースと手描きパースの両方についてみてきました。

実物同様のパースを制作したいとき、あるいは効率的にパース制作を行いたい場合はCGパースが適しています。また、温かみのあるパースを制作するなら、手描きパースが効果的です。

それぞれのパースは独自の良さがあります。その良さを活かしながら、顧客を魅了するようなパース制作を目指しましょう。

(画像はUnsplashより)